多汗症とは、交感神経が過剰に働くことで手・足・わきの下などに大量に汗をかいてしまう症状を指します。
交感神経の働きが強くなりやすい緊張時、不安時には症状が出やすくなります。
多汗症の特徴
多汗症の症状としては下記の3点があげられます。
- 小児の頃から症状があった
- 運動していない時でも汗が出る
- 左右同時に発汗する
多汗症の治療
多汗症の治療には、飲み薬、塗り薬・シート薬・注射(わき汗のみ)があります。
患者様の状態やライフスタイルに応じて、最適な治療をご提案いたします。
飲み薬(プロバンサイン)
アセチルコリンを抑え、交感神経を調整する飲み薬です。
毎日飲みます。
緑内障・前立腺肥大・心臓疾患・イレウスの方は、飲めません。
塗り薬(エクロックゲル)(わき汗のみ)
エクリン汗腺が交感神経から伝えられる汗を出す指令を受け取れないようにブロックすることにより、発汗を抑えます。
1日1回、両わき全体に塗布します。
12歳から使用できます。
緑内障・前立腺肥大の方は、塗れません。
処方には一定の基準を満たす必要があります(※)
シート薬(ラピフォートワイプ)(わき汗のみ)
有効成分であるグリコピロニウムトシル酸塩水和物が、神経からの汗をだす指令をブロックすることで過剰なわき汗を抑えます。
1日1回、両わき全体を拭きます。
9歳から使用できます。
緑内障・前立腺肥大の方は、使用できません。
処方には一定の基準を満たす必要があります(※)
注射(保険:ボトックス、自費:ボトックスビスタ)(わき汗のみ)
発汗の原因となる神経伝達物質(アセチルコリン)の分泌を抑える注射です。
効果は永続ではなく、1回の注射で半年ほどとなります。
ボトックス注射についての詳しいことはこちらをご覧ください。
保険診療となる場合には、一定の基準を満たす必要があります(※)
※下記診断基準(HDSS)の3または4に当てはまると保険適応となります。
- 1.発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
- 2.発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
- 3.発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
- 4.発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある