いぼとは全体的に使われている言葉で、原因のウィルスによっていぼと水いぼに分けられます。
いぼの種類と症状・治療
いぼは尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)と呼ばれ、傷をつくりやすい手や指、足の裏、膝、顔に現れます。
これは「ヒトパピローマウィルス」というウィルスが皮膚に感染し、表面が小さく盛り上がる症状です。
ささくれなどの傷から感染し、多くは表面がガサガサした肌色の1mm程度の発疹ができ、次第に大きくなって表面がより角質化してにごります。
足の裏では、体重に押されたために、盛り上がるよりも魚の目状または多発して敷石状になります。
顔面や首では、先端がとがった細長い突起物になることがあります。
いぼの治療
いぼの治療には液体窒素を用います。
マイナス195度という超低温な液体を患部につけて、軽い低温やけどをおこさせて、ウィルスを退治します。
多発するいぼや治りにくいいぼには、漢方薬であるヨクイニンという内服薬を処方することもあります(保険治療)。
何年も治らなかったいぼが、ヨクイニンの内服を開始して急速に良くなった例もあります。
ウィルス性のいぼは、治療が遅れると他の部位に移ったり、より大きく深く拡大してそれだけ治療期間が長引きます。
小さく浅いうちに早めに治療することをお薦めします。
水いぼ
水いぼは、伝染性軟属腫と呼ばれるウィルスにより起きる、いぼの一種です。
水いぼが破れてウィルスが飛び散り、身体の別の部分や他の人に伝染します。
3~15才くらいのお子様に出ることがほとんどで、春から秋にかけてよく見られます。
胸やわきの下、肘、ひざなどに1~3mmくらいのできものが出ます。
大きいものだと1cmほどになることもあります。
水いぼの中には白いオカラのような塊があり、この中にウィルスが入っています。
水いぼが拡がったり他人にうつる原因になりますので、破かないように注意しましょう。
かゆみを感じることもまれにありますが、水いぼはできものが出るということ以外ほとんど自覚症状はありません。
また、1つだけ出ることは少なく、数個から多い場合には数十個のイボが出る場合もあります。
水いぼの治療
専門家の間でも意見の別れるところです。
「人にうつる」「放置しておくと、湿疹やトビヒになりうる」ことを重視して取ることを選択・おすすめする場合もありますし、「自然に治る」ことを重視してそのまま経過をみることを選択する場合もあります。
正解はありません。通常、かかることの多いお子様だけでは治療法を選択することは難しいので、取る・取らないことのメリット・デメリットを保護者の方に良く説明し、我々と一緒に選択していくことになります。
取ることを選択した場合、シールによる局所麻酔をしたうえで、特殊なピンセットで水いぼの中にある塊を取り除きます。
その際、少々出血することがありますが、すぐに止まります。
取り除いた後に遅れてまた水いぼができる(再発する)ことがありますので、その際も無理にいじらずにご来院ください。